2016年1月現在、乳がんの治療は切除ありきです。
切除も部分切除、乳房再建用に外側を残して中をくり抜く方法、全部取ってしまう全摘があります。
さらにセンチネルリンパ節生検、リンパ節郭清を加えるとここまでもう6通りになります。
集団検診から再検査となり胸の部分生検の結果、乳がんと診断されたら、そこから先はさらに詳細な検査になります。
身体の他の部位に転移が無いか確認すると同時に体力も見られます。
どこまでの治療するかを決めるのは医者ではありません。
全て患者自信が決めるのです。
だから、説明に納得がいかないなら、慌てて結果を決めずに納得するまで時間をかければ良いのです。
但し、この時、一番大切なのはがんの進行度。
この進行度さえゆっくりしているなら落ち着いて考える事が大切です。
でも、今は切らずに完治するのは難しいと考えましょう。
例えば、蜂ですが、巣を無くしてもちゃんと翌年には、新たな巣が作られるでしょう?
がんも同じで、元を断たなければ、結局は再発の危険があるということは考えておくべきです。
私の場合は、手術前の生検ではハーツー陰性でした。
PETでも転移が見つからなかったし、何より本人に自覚症状がまるで無かった。
見つかったのが奇跡的なレベル1でした。
だから、部分切除を考えなかったわけではありません。
しかし、場所が悪く部分切除では取り残しが出来るかも知れないと言われました。
部分切除を選んで取り残しがあれば再手術、または数年後に再発する危険もあります。
そこで選んだのは全摘です。
レベル1の大きさだったので、全摘を選べば放射線治療が必要ありませんでした。
それも全摘を選んだ理由のひとつです。
全摘を決めたら、次は乳房再建についてです。
乳房再建は2年前なら本人の自己負担でしたが、今では保険が使えるようになりました。
これから、もっと保険適用範囲が広がるかもしれません。
また、年齢と共に変わりゆく体型にあって、片側だけを治すのは辛いかも…
「それなら、いっそ無いままで良いのでは?」
と、全摘とセンチネルリンパ節生検のみを選んだのでした。
手術の内容を選択する時は、がんの大きさとそれに伴う治療方法も大切ですが、
「自分はどのような結果を望むのか」
を具体的に考えると良い方法が選べるようです。
入院中、同部屋にがんが両胸にあって両方を全摘される方がいらっしゃいました。
彼女は全摘手術と同時再建を選択していました。
「保険適用だし、両胸だから同時再建する事にしたんです。」
と、おっしゃってました。
更に
「先生には私史上最高のバストにしてあげる…と、言われてるの。楽しみ~。叶姉妹みたいになるかもね~」
なーんて、冗談まで話されてました。
日本の美容整形の技術は優れていますから、安心出来ますね。
また、別の患者さんで
「スキューバダイビングが趣味!」
と、いう方がいました。
彼女は何年か前に胸にインプラントを入れてダイビングした外国人女性がインプラントの破裂事故で命を落とした事を知っていて「ダイビングしたいから再建はしたくない」と思ったそうです。
そこでその件を伝えたところ彼女の主治医は
「それは一大事だけど、インプラントが大丈夫かどうか調べさせて」
と、言って調べてくれたそうです。
実際、次の診察までに調べてきてくれて先生の話によると
「治療で使う医療用インプラントと美容で使うインプラントは品質が違っていて、医療用インプラントならダイビングしても大丈夫だよ」
と言われたそうです。
彼女の主治医も忙しいらしいので、調べてくれた事にはとても感謝してました。
どんなに忙しくても患者さんの事を考えてくれる先生こそ、乳がんの時に頼りになる先生はいませんよね。。。
ただ、結局彼女は自分の意思で再建はしませんでした。
どこまで手術を受けるのかどうかについても選択の自由があるって事です。
治療の目的さえハッキリさせれば、あとはどうすれば良いか自ずとわかってきます。
治療方法の説明は聞いても、治療内容は自分で選びましょう!